7月22日、オスロの政府庁舎が凄惨で悲劇的な爆弾攻撃を受け、ウートイヤ島のサマーキャンプで大勢の若者が殺害され、ノルウェーは悲しみの中にあります。国外の複数の過激派によるテロ行為ではなく、国内のひとりの過激な人物による犯行でした。
オスロ市街で、また全国各地で何千という大勢のノルウェー人がバラの花とろうそくを手に集まり、亡くなった方々を悼み、愛する人を失った人びとと悲しみを分かち合い、慰めました。何より忘れてならないのは、わが国や開かれた社会を築く上で拠り所となっている民主主義の価値観を守るために団結するという力強いメッセージを発信するために集まったのだということです。
大使館のウェブサイトで国王、皇太子、および首相のスピーチを紹介しました。そこには悲しみの時を過ごしているすべてのノルウェー人の思いが表現されています。大使館に弔問の記帳にお越しいただいた多くのノルウェー国民、日本の友人の皆様、ならびに在東京の各国代表の方々、また、私たちと共に静かな哀悼のひとときを過ごしてくださった方々に御礼申し上げます。
日本が悲劇に見舞われた時、ストーレ外務大臣はオスロの日本大使館を訪れ、記帳させて頂きました。そして今回ノルウェーが悲劇に見舞われ、松本外務大臣が東京のノルウェー大使館を同じように訪問してくださいました。
ノルウェーは、菅首相、国会議員の皆様、そして日本の友人の皆様、ならびに各国元首の方々、国連安全保障理事会、さらには世界中の人びとから哀悼のメッセージを数多く頂いたことに心から感謝しています。皆、私たちの悲しみを分かち合うとともに、テロ行為を非難しています。
2011年は、両国とその国民にとって本当に悲しい出来事の年となりました。ノルウェーではひとりの人間によるかつてない暴挙が発生し、日本では東日本大震災と津波による未曾有の自然災害と、これに続く原子力発電所の問題が起きました。多くの人が亡くなり、命をとりとめた方々にとっても、その苦しみはあまりにも大きく、惨状はたいへんなものです。
ノルウェー人も日本人も、私たちを襲った悲劇を心に刻みつつ、通常の生活を取り戻し、将来に向けて進んで行くという困難に挑んでいます。ここ日本では、文化交流やビジネス取引が再開しつつあり、ノルウェーからの来訪者や居住者が再び増え続けている状況を見て、私はうれしく思います。また、私たちは、3月の震災により延期となっていたイェンス・ストルテンベルグ首相の公式訪問が、来年早々にも新たな目的を持って実現されることを待ち望んでいます。
ストルテンベルグ首相は、3月11日に日本が災害に襲われた際に哀悼の意を表明し支援を申し出ていましたが、菅首相に宛てた6月24日付の書簡の中で、あらためて哀悼と支援申し出を繰り返し表明しました。この書簡では、さらに「チーム・ノルウェー」という共同の取り組みを立ち上げ、漁業や海産物の安全性、沿岸部の開発のほか、再生可能エネルギーや環境技術の分野で日本の復興への営みを支援していくことを、日本の首相に伝えました。
大使館は今、日本の関係官庁、また中央、地方、地元等の担当者と積極的に対話を進め、日本の再建のニーズに沿った具体的な対策を見極めようとしています。私たちはこれまでに数回、宮城県の被災地を訪れ、仙台市、石巻市、南三陸町の市長、町長とお会いしました。最近では7月15日、現地で若生副知事と会談するヒェーティル・ルンド財務副大臣に同行しました。9月に仙台で宮城大学の主催で開催予定の漁業シンポジウムにもご協力する予定です。こうした大使館の集中的な取り組みは、ボランティア組織やNGO、市民団体のほか、私たちの民間とのつながり中で既に実行した、または実行中の支援に追加して実施されます。
国家的な悲劇に対処し、国と国、人と人が互いに思いやり、支え合う気持ちを持って共に悲しみを分かち合うことにより、ノルウェーと日本の人びとの絆は、将来の課題に立ち向かう上で一段と強くなりました。
アルネ・ウォルター
2011年8月