建築・デザイン

スヴェレ・フェーン(1924年生れ)は第二次世界大戦後まもなく建築を学び、すぐに同世代のノルウェーの建築家のなかで頭角を現しました。彼はノルウェーの建築家の中では、最も広く国際的に名の知れた建築家でもあります。 建築家としての彼の初期建築に大きな影響を与えたのは、フェーンの師であったArne Korsmoです。フェーンは1952年から53年にかけてモロッコを旅しましたが、その時に見た素朴なデザインの建築物が、彼のその後の仕事の基調となりました。それから1年後、彼はパリでフランスの偉大な建築家、ジャン・プルーヴェのもとで働きながら学び、ル・コルビュジェの作品からできる限りのものを吸収しました。そうした国際的な経験が手伝って、彼は当時の最先端の建築技法と、広く行き渡っている簡素な建築方法とを融合させることに成功しました。 1955年、フェーンと彼の仲間のGeir Grungは、オスロにあ... 更に読む

1100年から1300年にかけて、ノルウェーに約1,000ものスターヴ教会が建てられましたが、現存しているものは30にも及びません。かつてスターヴ教会が北欧全域に建てられたことは考古学者によって明らかにされていますが、現在も残っているのはノルウェー南部だけです。1800年代、 Johannes FlintoeとC.J.Dahlのロマン派の絵画をきっかけに、スターヴ教会に対する人々の関心が高まり、建築家たちによって取り壊される恐れのある教会が登録され、調査が始まりました。1844年、この古くて意義深い建築物を守ろうと熱意を持った人々が集まり、Society for the Preservation of Ancient Norwegian Monumentsが設立されました。今日、この協会が管理しているスターヴ教会は8つあります。このほか野外美術館に置かれているものが4つあります。... 更に読む

ノルウェー・デザインは、ここ数年の間に生まれ変わり、脚光を浴びるようになりました。これほどの人気を得たのは、スカンジナビア・デザインが頂点を極めた1950年代、60年代以来なかったことです。 更に読む

ノルウェーの建築家は1990年代にモダニズムのルーツに戻りました。1930年代の機能主義を思わせる、大きく穏やかな感じの正面とシンプルな外観の個人住宅やオフィスビルが建ちました。中でも最も広く認められたものに、Kristin Jarmund (クリスティン・ヤルムン)設計の受賞作、Norwegian Metrology and Accreditation Service Headquarters(1997年Kjelle)があります。 現代の建築家は、異なる様式上の手法を組み合わせて、洗練された外観を作り出すことがよくあります。Kari Nissen Brodtkorb(カーリ・ニッセン・ブロットコルブ)が設計したStranden(1990年)はその典型です。この建物は、産業埠頭だった区域を店舗・オフィス・住宅にしたもので、オスロのアーケルブリッゲのはずれにあります。脇にある乾ドックが... 更に読む

1980年代のポスト・モダニズムの時代には、1930年代の機能主義に見られたような勢いは見られませんでした。ポスト・モダニズムをモダニズムへの背信行為と見る建築家が多かったため、ポスト・モダニズムが残した意義深い建築作品はノルウェーではごくわずかです。 しかし、唯一重要な例として挙げられるのが、オスロのScandinavian University Press社の平凡な7階建てのオフィスビルを遊び心にあふれた多面的な空間に変貌させた事業です(Jan Digerud ・ Jon Lundberg設計、1980年)。オスロ郊外に続く小さなHolmia駅とLodalen にある車輌停車場も、ポスト・モダニズムの注目すべき例として挙げられます。どちらもノルウェー国営鉄道(Norwegian State Railways)のためにArne Henriksenが設計したものです。これらはノルウェ... 更に読む

ノルウェーは数百年もの間デンマークの統治下にあったため、経済的に富裕な層はあまり生まれませんでした。ノルウェー独特の建築の歴史を見ると、ヨーロッパ北端にある人口の少ないこの国がどのように発展したかがわかります。 1千年あまり前、ノルウェーの幾つもの小さな王国がまとまり一つの君主国家が生まれ、まもなくそれがキリスト教国になりました。これによってノルウェーは、石造り建築の伝統を持つ大きなヨーロッパ文化圏に入ることになりました。北欧諸国で最古のゴシック大聖堂であるニーダロス大聖堂がトロンハイムの聖オラフの埋葬の地に建てられました。これよりも小型の石造り教会が国内のあちこちに数多く建てられていますが、たいていはローマ式です。 質の高い木材が容易に手に入ったことから、ノルウェーには木造建築の伝統がはるか昔から続いています。今でもノルウェーの興味深い新建築物は多くが木造です。これはこの国の設計士... 更に読む

第二次大戦後、ノルウェーには優れた建築家が数多く生まれ、20世紀後半のノルウェー建築界の主流を占めました。これらの建築家のほとんどはすでに引退もしくは亡くなってはいますが、新たに才能あふれた若い世代の建築家グループが登場し、国内外で高い評価を受けるようになっています。 現在ノルウェーで活躍する若手建築家には以下の人々が含まれます。Ivar Lunde と Morten Løvsethは、スタヴァンゲルのNorwegian Petroleum Museum(1999年)とTønsberg Library(1992年)を手がけました。Kristin Jarmundは、KjellerのNorwegian Metrology and Accreditation Service headquarters(1997年)とDrammenのGulskogen School(2001年)で有名です。L... 更に読む

アレクサンドリアの古代図書館は、古代としては最も多くの文書・書物を所蔵していましたが、5世紀に破壊され、その貴重なコレクションが永遠に失われてしまいました。 1989年に、エジプトが新しいアレクサンドリア図書館設計のコンペティションを開催したところ、約650の建築家グループがそれに参加しました。驚いたことに、優勝したのは、それまで一度もコンペに優勝したことがなく、大規模なビルを手がけた経験も殆どなかったノルウェーの小さな設計事務所、 Snøhetta(スノーヘッタ)でした。2002年に開館した新アレクサンドリア図書館(Bibliotheca Alexandrina)は、ここ数十年で最も重要な建築作品の一つであるといわれています。 この図書館は堂々としていながらも、シンプルなデザインの建物です。斜めに切り込まれて立った円柱形で、その幾何学的な明晰さは古代エジプトの偉大な殿堂に通じるもの... 更に読む