文学

1903年から1928年の間に、3人のノルウェー人作家がノーベル文学賞を受賞しました。彼らの作品は現代ノルウェー文学の基礎を作ったといえます。 400年に及んだノルウェーとデンマークの連合は1814年に解消されましたが、その後ノルウェーはスウェーデンと連合を組み、これは1905年まで続きました。そして、独立を得ようという人々の声が高まるにつれ、それまでのデンマーク語とは異なる、ノルウェー語による国民文学の伝統を築こうという望みも強くなっていきました。 ビョルンスチャーネ・ビョルンソン(Bjørnstjerne Bjørnson 1832~1910年)は1850年代から『Bondefortellinger (Peasant Tales)』の出版を始め、新しい物語の説話手法と語り口をノルウェー文学にもたらしました。ビョルンソンの作品には詩、物語、小説、戯曲があります。劇作家ヘンリック・イ... 更に読む

学術上の著作は学問の世界の基盤を成すものです。学術書を見ると、ノルウェーが関わっている学問の分野、研究分野がいかに広範囲に及んでいるかがわかります。 ノルウェー最初の大学は、1811年にクリスチャニア(現在のオスロ)に創設されました。1800年代はノルウェーの国家建設の時期であり、書き言葉としてのノルウェー語の発展は国民のアイデンティティを確立する上で極めて重要なことでした(「エッセイ」参照)。Ivar Aasen (1813~1896年)の言語研究は、近代ノルウェー語の発展のために重要な役割を果たしました。ニーノシュクNynorsk(新しいノルウェー語)の創始者として、オーセンはノルウェー文学史の中で特別な地位にいます。ニーノシュクはブークモールBokmål(書物のことば)と共に公用語として現在、広く使われています。 ノルウェーは、第二次世界大戦後に名実ともに現代学問の分野で世界の... 更に読む

ノルウェーのエッセイは伝統的に活力に満ちており、これはデンマークとノルウェーの血を引く作家、ルードヴィク・ホルベルグ(Ludvig Holberg 1684~1754年)から始まりました。 1380年から1814年までノルウェーはデンマークの同君連合下に入っており、この間はデンマーク語が公用語で、文学の世界でもデンマーク語が使用されていました。その中で、ノルウェー生まれのホルベルグは、ノルウェー・デンマーク共通文学という伝統を創り出す中心的人物でした。ホルベルグの機知に溢れた数々の喜劇はデンマーク演劇の発展に大きく貢献した一方で、ノルウェーに対しても、主に歴史書とエッセイで影響を与えました。1700年代後期のノルウェー人作家たちは、自らをホルベルグの古典ヒューマニズムの後継者であるとみなしていました。 1814年に、ノルウェーはスウェーデンとの連合下に入りました。この連合はノルウェー... 更に読む

ノルウェーの紀行文学は、昔から、険しくて到達が困難な地域での発見、探検、それに征服物語などが中心でした。 しかし、1800年代後半には冒険・探検旅行は、研究のためのフィールド・ワークと密接に関係するようになりました。この代表的な例は、探検家フリチョフ・ナンセン(Fridtjof Nansen 1861~1930年)とロアール・アムンセン(Roald Amundsen 1872~1928年)によるものです。二人とも自らの探検旅行を詳しく記録し、それを出版しました。ナンセンは多才な著述家で、自分が描いたイラストをよく著書に挿入しています。著書には『På ski over Grønland (The First Crossing of Greenland) 』(1890年)、『Fram over Polhavet (Farthest north)』(1897年)、『Russland og... 更に読む

ノルウェーの詩の歴史は千年以上前の9世紀の吟唱詩(Skaldic verse)にまで遡ります。中世には民間伝承の物語詩(ballads)や特定の場に合わせて作るオケージョナル・ポエトリー(occasional poetry)、またStevとして知られる即興詩が作られました。民話のほかに、こうした作者不詳の作品はノルウェー伝承文学の重要な部分を占めています。 なかでも聖職者を中心として次第に教育が普及するにつれ、賛美歌が抒情詩的表現の一つの重要な方法となってきました。また19世紀の始め頃には、詩は建国間もないノルウェーの国造りに重要な役割を果たしました。ノーベル文学賞受賞作家の一人、ビョルンスチャーネ・ビョルンソン(Bjørnstjerne Bjørnson 1832~1910年)は、『Ja vi elsker dette landet (われらこの国を愛す))という詩を書きました。こ... 更に読む

 ノルウェーで最も有名な劇作家はヘンリック・イプセン(Henrik Ibsen 1828~1906年)です。近代演劇の父と呼ばれるイプセンですが、その作品は、ヨーロッパとアメリカの演劇手法に革命的な発展をもたらしたと言われています。彼の演劇作品は今でも人気があり、世界中で数多く上演されています。 イプセンはノルウェーで生まれ育ちましたが、その後の27年間はイタリアとドイツで暮らしました。それでも彼は決して故国を忘れることはなく、ノルウェーを彼の作品の舞台としたのです。彼の演劇は社会を分析し、批判しています。また、実存的・心理的葛藤を極めて巧みに描いています。今もなお彼の作品は、ノルウェー内外で幅広く研究されています。 イプセンの後、ノルウェーには新しい世代の劇作家が誕生しました。今では230人を超える劇作家がおり、舞台演劇、映画、ラジオ、テレビのために脚本を書いています。その中に 更に読む

ノルウェーの現代文学は国の内外に幅広い読者層を持っています。 最も知名度の高い現代作家は、Jostein Gaarder(ヨースタイン・ゴルデル1952年~)(「児童文学」参照)、Erik Fosnes Hansen(エリック・フォスネス・ハンセン1965年~)、Lars Saabye Christensen(1953年~)です。30人近くのノルウェーの現代作家の著書が10ヶ国語以上の言語に翻訳されており、世界的な出版社が毎年購入するノルウェー人作家の作品の版権は数百にのぼっています。Kim Småge、Unni Lindell、Karen Fossumら、ノルウェーの女流ミステリー作家は広く海外でも評価されています。Lars Saabye Christensen、Nikolaj Frobenius(1965年~)、Erlend Loe(1969年~)は映画の脚本も手がけています。... 更に読む

子どもと青少年向けの文学は、1700年代に文学のジャンルのひとつとして認知されて以来、大きな発展を遂げました。民話や童話も元は子どものために書かれたわけではなく、それらは1800年代になって初めて児童文学とみなされるようになったのです。 1798年には、初めて子ども向けの読本が出版されました。最初の児童文学の名作といわれている『I Brønden og i Kjærnet(In the Well and in the Pond)』(1851年)を著したのは、ノルウェー民話の収集家Jørgen Moeでした。この本は明確に子どもを対象として書かれており、感傷に陥ることなく写実的な描写でストーリーが展開しています。 ノルウェー児童文学の黄金時代は1890年から1914年までといわれ、児童向けの本や物語が数多く出版されました。第二次世界大戦後には、青少年向けのものを含めて児童向けの本に人々... 更に読む