写真: Andrea Taurisano /Norsk Polarinstitutt.写真: Andrea Taurisano /Norsk Polarinstitutt

極北地域における国際協力

極北地域に対する国際的な関心は高まってきており、なかでもエネルギーと環境問題が特に注目されています。この地域は、潜在的にエネルギー資源の可能性を秘めていること、そして地球規模の気候変動が北極において最も顕著に見られることから、各方面の関心を呼んでいるのです。極北地域における課題の多くは、国際的な解決をめざし、諸外国との広範囲にわたる協力によってのみ対処することが可能です。

北極圏評議会 The Arctic Council

北極圏評議会は、北極圏に接する8ヵ国が加盟する唯一の地域協力機関です。北欧5ヵ国と米国、カナダ、ロシアが加盟しています。ノルウェーは2006年から2008年まで、評議会の議長を務めています。

ノルウェーは、北極圏評議会の議長国として、気候変動と北極海の資源の統合的管理というテーマに力を注いでいます。バレンツ海、ロフォーテン諸島地域の統合的資源管理は、その実施の仕組みが明示されてた白書に基づいて行なわれることになります。気候変動の問題に関しては、北極圏で起きている急速な気候変動による地球全体、および地域的な影響についての知見をさらに深めていきます。将来、大きな変化に対応していかなければならない事態に備え、こうした知識は極めて重要です。北極圏で起きている変化は、世界のほかの地域で対処しなければならない問題に対する警告でもあるのです。北極圏諸国は、この地域での対応策について協力していく計画です。


バレンツ海における協力

バレンツ海における協力は、極北における地域協力の基軸となっています。バレンツ地域は人口およそ600万人で、森林、鉱物、石油、ガス、魚類などの天然資源に恵まれています。

バレンツ海における協力の課題は、幅広い分野で地域での協力を強化、推進することです。具体的な協力分野には、ビジネス部門をはじめ、環境、交通、通信、教育・研究、健康、文化、先住民族、司法、救助協力、青少年の問題などがあります。バレンツ地域の各企業や、各自治体との間では、国境を越えた密接な協調関係が築き上げられています。バレンツ海の協力により、極北地域の古い垣根が取り払われ、人と人との強い絆が育まれています。

原子力の安全性

ノルウェーは、原子力の安全性について、ロシアと強い協力関係を維持しています。ノルウェーの国会(Storting)は、こうした活動のために1995年以降、ロシアの北西部に対して重点的に、総額13億ノルウェークローネに上る資金を投入してきました。ロシアの核施設や核廃棄物による放射能汚染の危険性は深刻であり、汚染による被害は、直ちにノルウェーに及ぶという認識から、こうした取り組みが行なわれてきました。

原子力の安全性に関する協力のおかげで、隣接地域における核廃棄物や使用済み核燃料、そのほかの放射線源の安全管理や輸送、貯蔵、廃棄という分野で優れた成果をあげています。ノルウェーは「大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ」への協力を求められ、この分野におけるノルウェーの取り組みは一層充実したものになりました。ここ数年、優先的に実施した取り組みとしては、退役原子力潜水艦の解体、ロシアの北西部沿岸の灯台やブイからの放射性ストロンチウム源の除去活動があります。また、アンドレエフ湾の旧海軍基地における使用済み燃料の安全管理や除去のためのインフラ整備も行なっています。原子力の安全性の問題に関する政府の行動計画に基づいて、ノルウェーはコラ原子力発電所の安全基準の改善にも多大な支援を与えてきました。


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