ノルウェー国民とノルウェーで働く人々にはすべて、国民保険制度に加入する資格があります。国民保険制度は、年金(例:老齢年金、遺族年金、障害者年金)のほか、労災、事故や疾病、妊娠、出産、母子・父子家庭、葬儀などに関わる給付を受けることができる政府管掌の保険制度です。家族手当や児童手当についての保険制度(kontantstøtte)とともに、国民保険制度はノルウェーで最も重要な総合保険制度を構成しています。
1999年末時点で、およそ90万人の老齢年金受給者を含む約110万人の人々が、主な収入源として国民保険からの給付金を受けています。1999年の保険制度の総支出額は1,620億ノルウェークローネにのぼり、GDP(国内総生産)の13.6%、国家予算のおよそ34.3%を占めます。国民保険制度は従業員、自営業者、その他の被保険者からの保険料、雇用者からの負担金、政府支出を財源としています。
公的な社会福祉事業が初めて行なわれたのは1700年代でした。それ以前は、家庭、教会もしくは個々の教会区が、貧困者や弱者、高齢者の面倒を見ていました。社会福祉と国民保険の拡充は、工業化の進展と深く関わっています。工業化によって生じた新たな健康被害のために、人々は住所や仕事を変えるようになり、その結果、家族の絆が弱まってしまいました。同時に、工業化によって社会改革の経済的基盤ができてきました。1895年に作られたノルウェー工場労働者災害保険(Norwegian Accident Insurance for Factory Workers)の適用範囲が次第に拡張され、他の職業にも適用されるようになったのに続いて、疾病手当、老齢手当(1936年)、失業手当(1939 年)、障害手当(1960年)、未亡人およびシングル・マザーに対する手当(1964年)が導入されました。第二次世界大戦前に導入された様々な社会福祉手当は、1967年に国民保険制度に統一されました。この制度による支給額は、個々人が得た年金点数に応じて決められます。