レポート【オスロ・ファッション・ウィーク】その2
ノルウェージーンズ「アンチ・スウェーデン(Anti Sweden)」歴史と文化織り交ぜパフォーマンス
ノルウェーのジーンズブランド「アンチ・スウェーデン」がコレクションの見せ方で話題を呼んでいる。2009年3月にクリエーティブ・ディレクターのシェティル・ウォルド(Kjetil Wold)が立ち上げたブランドで、ノルウェーの暗闇とブラックメタル発祥の地を織り交ぜ、毎シーズン、ノルウェー音楽やカルチャーを反映させた作品を発表している。
デンマーク、スウェーデンに支配された歴史を持つノルウェーのライバル心を反映したユニークなネーミングは、「挑戦状」とも捉えることができ、油田開発で豊かになったノルウェーが今後、デザインやファッションでスウェーデンに追いつき、追い越したい意味も含んでいる。このため、「アクネ・ヌーディージーンズ・チープマンデイ」などのスウェーデン発ジーンズを持ち込んだ場合は、同社のスリムジーンズが割引になるというユニークなキャンペーンも実施している。スウェーデン王女が2010年に結婚した際、アンチ・スウェーデンをプレゼントしたところ、サンキューレターが届くなどシニカルながらユニークな2国間関係も表れている。
2011年3月のコレクション発表をオスロ・ファッション・ウイークに対抗して、ブランドのダークで恐ろしげなイメージとも合う北部のヘル(Hell "地獄"の意)という街で独自に行った。キャットウオーク後に、炎をあげるドラム缶にコレクションの洋服を放り込んで燃やす過激なパフォーマンスや、アリス・クーパーの娘キャリコ・クーパーも参加するなど話題を呼んだ。
2011年3月にHellで行ったショー. 写真: ANTI DENIM
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を使ったキャンペーンも活発だ。フェースブックで自身のポートフォリオを募り、審査を通過した7人にTシャツのデザインを依頼。それをフェースブックに一斉に掲載し、ファン投票で商品化したところ、予約殺到で即日販売となったという。今秋に向けて第2弾も予定している。
2012年初めにはブランド名をアンチ・デニムに変更、カロリーナ・バッケン・ルンド(Karoline Bakken Lund)が専属デザイナーとなり、ジーンズ以外にもシャツ、ジャケット、レザーバッグを発表するが、その方法もこれまで通り、独自のパフォーマンスで行う計画だ。欧州以外では現在、日本と韓国にも広げているが、東南アジア、中国ではアンチ・スウェーデンがブームになりつつある。
関連会社のアンチ(Anti)は設立後3年だが、欧州では有力デザイン会社として数々のデザイン賞も受賞し、今後はデザインとジーンズの双方で、アジア市場への本格参入を狙っている。
(村瀬千草)
*この記事は繊研新聞のご好意により、2011年9月22日号掲載の記事に一部手を加えて転載したものです。
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