8月8日-14日にオスロ郊外で開催されたオスロ・ファッション・ウイーク(OFW)は、ノルウェー国内デザイナーのファッションショーを中心に開催。楽しい演出と仕掛けを随所にはめ込んだ。同ウイークは04年に始まり、毎年2、8月に開かれている。
初日はオープニングも兼ね、複数ブランドのキャットウオークをつなげた約1時間半のショーを見せた。ニットとシフォンをまとった天使のような衣装と歌で始まり、「ニューカマー・オブ・ザ・シーズン」の新進クリエーターを集めたショーが続いた。協賛企業のロレアルとレッドケンによるヘアー&メークショーでは、トレンドのゴールドを中心にメークとファッションの合わせ方をアピールした。
2日目以降は「1時間に1ショー」を続け、毎日の最終回のショーでは趣向を凝らした演出を織り交ぜた。2日目の最後には今回の目玉の一つであるデザイナーのファム・イルヴォル(Fam Irvoll)による子供服の「リトルカップケークス」とレディスの「ファム・イルヴォル」の連続ショーも行った。
リトルカップケークスは、アニマル柄をまとい動物のメークをした子供のダンサーが、ライオンキングなどの曲に合わせて大人顔負けの踊りを見せ、子供のモデルが観客にアメを配ったり、動物のまねをして観客を襲ったりと、楽しい仕掛けで会場を沸かせた。
ファム・イルヴォルによる楽しいショー. 写真: Dmitry K Valbergファム・イルヴォルのショーに入ると、長い三つ編みヘアをつなげた2人の女の子が三つ編みを使って縄跳びし、猫をモチーフしたモデルや体の3倍もある縫いぐるみと戦うモデルらも登場して、「ファムの世界観」を打ち出した。
オスロファッションウィークは、国内だけでなく欧米で活躍するデザイナーブランドなどもショーを開き、観客を楽しませる演出に力を入れている。日本の東京ガールズコレクションと東京コレクションを合体したような雰囲気だ。
「スウェーデンの成功に続きたい」
キスレ・マールダール NFI エグゼクティブ・マネジャー
Gisle Mardal/NFI
ノルウェー・ファッション・インスティテュート(NFI)のエグゼクティブ・マネジャー、キスラ・マールダール氏(Gisle Mardal)は繊研新聞社の取材に対し、ノルウェーのファッションビジネスについて「国際ブランドが多いスウェーデンのサクセスストーリーに続きたい」と意欲を見せた。
Q: NFIの役割は?
NFIはファッション業界が設立した組織で、国内のクリエーター育成やコンサルタント業務をはじめネットワークを広げる活動をしている。海外の様々な機関とも協力し、国外でノルウェーブランドの知名度を上げる手助けもしている。ノルウェーファッションは一般的にセーターなどが中心と思われがちだが、レディスウエアを中心に様々なテイスト、価格帯が揃っている。国内で成功後、デンマークや他の北欧諸国、ベネルクスやフランスへと展開するブランドが多いが、近年は中国・香港を中心にアジアへ視野を広げる企業も多い。これまでは文化、気候、サイズの問題でアジア市場参入は難しいとされていたが、市場規模の拡大により無視できないものになってきた。デンマークブランドは中国に総計900店あるといわれ、ノルウェーもこれに追随したいと考えている。
Q: ノルウェーのファッションビジネスの特徴は。
日本では「北欧」とひとくくりにされがちだが、ノルウェーはクリエーターが多いデンマークや、国際ブランドが多いスウェーデンとは異なる側面を持つ。北欧で最も豊かな国でありながら、ファッション産業が急速に伸びたのはここ10年。今までは主力になり得ない産業と見られてきた部分もあったが、現在はその地位も認められつつある。国内市場の75%が国内ブランドということもあり、自国文化を大切にする点や堅実な点は日本と非常に似ている。一般的に「スウェーデン・ワンダー」と呼ばれているスウェーデンの国際的サクセスストーリーに続きたい。日本市場には大変注目しており、特に中国市場への足場になると考えている。規模では中国には劣るが、トレンドではアジアをリードしているのは間違いなく、日本での成功がアジアへの懸け橋になる。その意味でも、近い将来、日本でノルウェーファッションの紹介を目標にしたい。
(村瀬千草)
*この記事は繊研新聞のご好意により、2011年8月25日版の繊研新聞に掲載された記事に、一部変更を加えて転載したものです。
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