北極圏サミット開催

10/05/2010 // 今年3月カナダのオタワで北極圏サミットが開催され、ノルウェー、ロシア、カナダ、米国、デンマーク5ヶ国の政府閣僚により、北極圏における共通課題への取り組みについて話し合いが行なわれました。

新たな機会と課題
気候変動や海氷面積の減少に伴い、北極圏に新たなチャンスが生まれています。水産資源は北上を続け、航路や石油資源については利用可能性が増しています。その一方で、人々の活動が活発化することにより、数々の課題も生じています。
北極域は気候が厳しく、生態系も乱れやすいため、石油の流出や救援活動に対処するための備えを確実にしておくことが不可欠です。大規模な石油流出や船舶事故への対応には、一国による備えを超えた多くのリソースが求められる場合もあります。さらに、現地までの距離が遠い上、救助のためのリソースが一ヵ所に集約されてていないため、国境を越えた協力が極めて重要です。

問題解決に向けた協力
北極海沿岸5カ国は共通の認識を持ち、オタワ・サミットに出席した各国代表の間で、救助への備えに関する協力体制強化の必要性について意見が一致しています。また、互いの協力推進のために、北極評議会(Arctic Council)が重要であると認識しています。2011年、同評議会は北極海での救援活動対策における協力について、法的拘束力のある協定の締結を目指しています。さらに、ノルウェーは国際海事機関(IMO)対する北極評議会の働きかけとして、北極圏における船舶の航行について強制力のある基準(standards for ships)の導入に取り組んでいます。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアはバレンツ海域での海難救助と石油流出事故対策について、長年に渡り協力を続けており、ノルウェーのヘリコプターはロシア海域において船員の救助を支援してきました。

2009年9月、ノルウェーとロシアがバレンツ海で行った海難救助活動の合同演習. 
写真: Harald Hermansen Eie / MFA.2009年9月、ノルウェーとロシアがバレンツ海で行った海難救助活動の合同演習. 写真: Harald Hermansen Eie / MFA

 規則への合意
境界問題や未開発資源の存在が、必ずしも北極海に混乱を招くものではありません。米国の地質調査に基づく推定によれば、この海域で確認された石油資源の多くは、係争域外にあります。多くの未発見潜在資源のについても同様です。
北極圏沿岸諸国は、国連海洋法条約のような国際的な規則や関係国間の交渉内容を取り入れることで意見が一致しています。大陸棚の延長に関して評価と勧告を求めるために国連に文書が提出され、係争海域をめぐる二国間交渉が進行中です。

資源の共同管理・開発
沿岸諸国は、既に北極圏の資源の管理について共同で取り組んでおり、例えば、ノルウェーとロシアはバレンツ海の開発に見られるように、世界で最も環境にやさしいタラの漁業資源管理を共同で行っています。バレンツ海の天然ガス資源についても共同で開発が進められています。ノルウェーのスタートオイルとロシアのガスプロムは、大規模で技術的に複雑なストックマン・ガス田のさらなる開発に向けて協力を進める計画です。


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