イースター(Påske)

キリスト教の復活祭(イースター)は、長く厳しい冬が終り春の到来を祝う時期でもあります。イースター・サンデーの前後は連休となり、ノルウェーのひとびとは思い思いの過ごし方で休暇を楽しみます。

復活祭はキリスト教の祭りで、イースター・サンデーはノルウェーでも国民の祝日となります。ノルウェー語の復活祭「Påske ポースケ」の語源は、ヘブライ語のPesach(過ぎ越しの祝い-羊がいけにえとして食される)にあります。
復活祭は「棕櫚の日曜日」(Palm Sunday)に始まり「洗足木曜日」(Maundy Thursday)、聖金曜日(Good Friday)と続き、この間教会では礼拝がとり行なわれます。キリスト教的意味合いでは、復活祭の週は「静寂の1週間」とも呼ばれ、イエスキリストの死と復活を思いおごそかに過ごす時とされています。「聖金曜日」は本来、イエスキリストの受難を分かち合う意味から辛い重労働に従事する日とされていました。近年、受難日としてとらえる傾向が復活し、その象徴に十字架を掲げて行列をつくって通りを練り歩くといった行事が行なわれるようになりました。ノルウェーでも教会が中心となり行事が行なわれます。

復活祭(イースター・サンデー)およびイースター・マンデー両日の朝には教会でイエスキリストの復活を祝う礼拝が行なわれます。復活祭は教会で行なわれる年中行事のなかでも、最も重要とされています。昔は、復活祭と翌イースター・マンデーには労働してはならないとされていました。また、復活祭の朝に「太陽が踊る」のを見るという習慣がノルウェーを含むヨーロッパに広まっていました。イエスキリストの復活を祝って踊る太陽を、朝早く起床して見るというものです。この、踊る太陽を見る行為には、癒しの効果があるとも考えられていました。

黄色は復活祭の色で、チューリップ、水仙、ひよこ、彩色したイースター卵などが復活祭を象徴するものです。イースター卵は、厚紙で作った卵型の容器にお菓子を入れたもので、子どもから大人まで広く用いられます。
卵に色を塗って絵を描いたり、ゆで卵を坂道で転がすゲームなどは、カトリック、プロテスタントの別なく古くからヨーロッパに伝わるものです。イースター卵で最も古いものとしては1200年頃のイギリスの宮廷にあったものが知られています。中世のキリスト教では、卵がイエスキリスト復活の象徴と定めていたことから、教会ではイースターの時期に卵をありがたいものとして扱い祝福し、ひとびとも宗教的で神秘的なものと考えていました。宗教改革の後、教会で卵を神聖視することは禁じられましたが、卵を力と繁栄の象徴とする考え方は根強く残りました。
復活祭の食卓には、主役として卵を使ったさまざまな料理や羊肉料理があがります。羊肉料理は、春を祝い羊をいけにえにして捧げる「過ぎ越しの祝い」の習慣に由来しています。

現代のノルウェーでは宗教的意味合いは薄れ、棕櫚の日曜日からイースター・マンデーまでは、余暇を楽しむ休日の週となりました。
「復活祭休暇に外へ出かけるのは人口の10-15%」とする統計があるものの、山に出かけ小屋で探偵小説を読みふける、またはスキーに出かけリュックサックに入れておいたオレンジを食べ、日に当りながらチョコレートをほおばるといった光景は、ノルウェー人が思い描く象徴的な復活祭休暇の過ごし方です。


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