宮城県石巻商業高校で太陽光発電設備寄贈式

最終更新日: 17/11/2011 // 11月9日、ノルウェーのリッケ・リン(Rikke Lind)貿易産業副大臣出席のもと、エルケム社(Elkem AS)による太陽光発電設備の寄贈式が行われました。


太陽光発電施設の寄贈は、東日本大震災の被災地支援のためにエルケム社がすすめるクリーンエネルギープロジェクトが日本企業(京セラ㈱、㈱シリコンプラス、㈱エスパワー)の協力を得て実現したものです。エルケム社が開発した省エネルギー技術を使い、ノルウェーのクリスチャンサンド市(Kristiansand)の工場で精製された環境にやさしいエルケム・ソーラー・シリコンを日本の企業が加工、さらに太陽光発電システムに仕上げ、現地の労働力で設置を行いました。

校舎正面玄関のホールには、石巻商業高校美術部の生徒がデザインしたパネルが掲示されています。このパネルには、現在の発電電力、その日の発電電力量とCO2削減量が表示されるほか、クリスチャンサンドと石巻の風景や、鯨、魚といった共通のモチーフが描かれています。

美術部の生徒がデザインしたパネル. 
写真: Elkem Japan.美術部の生徒がデザインしたパネル. 写真: Elkem Japan



校舎屋上でのテープカット・セレモニーに引き続き、体育館で全校生徒を前に寄贈式が行われました。寄贈者であるエルケム社のトロン・セーテルスタ(Trond Saeterstad)上級副社長からは、寄贈にいたる経緯と再生可能エネルギーが果たす役割について、またクリスチャンサンドと石巻の友情の礎となるよう希望する、とスピーチがありました。リッケ・リン副大臣からは、当初予定されていた訪日が東日本大震災で延期になった事や、震災のお見舞いと生徒への激励の挨拶がありました。

また、副大臣から探検家のナンセンとアムンセンが北極、南極探検に使用した船「フラム号」の当時の写真パネルが岡部校長と八木生徒会長に贈られました。「フラム」はノルウェー語で「前へ」を意味します。フラム号は3年間北極の氷に閉じこめられて漂流した事もあり、不屈の探検家が使用したことにちなみ、艱難辛苦を乗り越えて前へ進んで欲しい、という思いが込められています。


エルケム社と日本との関係 
エルケム社は電気化学事業を興そうという数人の若者が集まった技術ベンチャー企業として創業し、世界の非鉄金属精錬に大きく貢献してきました。しかし、北欧の弱小企業でもあったことからスタート間もない1917年に開発した電気炉システムはすぐには売れず、すぐに経営の危機を迎えます。しかし、日本企業がその技術価値を見出して1922年にライセンシーを取得、エルケムはライセンス料を前払いで得て、研究開発と事業活動を続けることができました。

1940年4月、ナチスドイツがノルウェーに侵攻し、フィヨルドの深部にある重水やエルケムのアルミ精錬のシステムも標的となりました。そこでエルケム社は一人の社員に技術資料を託しスウェーデン、モスクワ、シベリア、日本経由でニューヨークへ脱出を試みました。この時また前述の日本企業がニューヨークへの渡航費、事務所の開設費、運営費の用立てをしてくれました。日本が太平洋戦争に参戦する直前のことでした。エルケム社はその結果、ノルウェーでは企業活動を最小限に抑えながらニューヨークでは活発な事業活動を続け、戦後本格的に事業への復帰を果たすことができたのです。脱出した社員はその後エルケム社の社長を長い間務めました。

写真: Norwegian Embassy.写真: Norwegian Embassy


 


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