Norwegian Fashion Hub によるNeedlework & Technology 2014 は3日間に渡るコンファレンスとエキシビションイベントで、今年初めての開催にも係わらず多くのファッション関係者が訪れ大成功の内に終了しました. 
写真: R.Iriyama.Norwegian Fashion Hub によるNeedlework & Technology 2014 は3日間に渡るコンファレンスとエキシビションイベントで、今年初めての開催にも係わらず多くのファッション関係者が訪れ大成功の内に終了しました. 写真: R.Iriyama

① ファッションビジネスの視野を広げるセミナーレポート

最終更新日: 17.03.2014 // 2014年2月、オスロのデザインハブ DogA を会場に、コンファレンス『Needlework and Technology 2014』が、Norwegian Fashion Instituteを中心とするNorwegian Fashion Hubにより開催されました。

3日間にわたる同イベントには、ノルウェーのファッションシーンを支える産業やファッションブランド、若手デザイナー、クラフト関係者など多くの人がオーディエンスとして参加しました。

 コンファレンス二日目はDogAのメインホールをオーディ園が埋め尽くすほどに大盛況。世界を舞台に活躍するパイオニアたちのスピーチに人々はインスピレーションを得た。写真はノルウェーを代表する建築事務所SNØHETTA のEコマースプラットフォームTHE MOONに関するプレゼンテーション。. 
写真: R.Iriyama. コンファレンス二日目はDogAのメインホールをオーディ園が埋め尽くすほどに大盛況。世界を舞台に活躍するパイオニアたちのスピーチに人々はインスピレーションを得た。写真はノルウェーを代表する建築事務所SNØHETTA のEコマースプラットフォームTHE MOONに関するプレゼンテーション。. 写真: R.Iriyama


日本でも最近は、独自の伝統産業や日本のテクノロジー が「NIPPONISTA」 というブランドとして海外に向けにプロモーションされたり、いわゆるスローライフブームから派生した「作り手の顔が見える製品」「日本製」「こだわりの素材」に注目した地元産業や伝統クラフトワークが盛り上がりをみせていますが、ノルウェーでもその動きはじわじわとファッション業界や食業界を中心に浸透、発信されつつあります。

ノルディック柄のニットで知られる老舗Dale of NORWAYのぬいぐるみとブランケット。機会織りニットの余り部分を用いてつくられている。. 
写真: R.Iriyama.ノルディック柄のニットで知られる老舗Dale of NORWAYのぬいぐるみとブランケット。機会織りニットの余り部分を用いてつくられている。. 写真: R.Iriyama

同じくDale of NORWAYの製品。BINDEBØLLブランドで商品化されているバッグ。. 
写真: R.Iriyama.同じくDale of NORWAYの製品。BINDEBØLLブランドで商品化されているバッグ。. 写真: R.Iriyama
 

Flettverk の主宰者でもあるSiv Støldal と二人の若手デザイナーIda とHarald がプロジェクト的に発表するコレクションHAIKは、靴やニットなど古くから細々と続くノルウェーの工場とのコラボレーションで、地元産業を活性化すると同時にノルウェーのアイデンティティを再発見。. 
写真: R.Iriyama.Flettverk の主宰者でもあるSiv Støldal と二人の若手デザイナーIda とHarald がプロジェクト的に発表するコレクションHAIKは、靴やニットなど古くから細々と続くノルウェーの工場とのコラボレーションで、地元産業を活性化すると同時にノルウェーのアイデンティティを再発見。. 写真: R.Iriyama
 

SØLV は受注して生産に入るセミオーダー的なシステムを導入。在庫を持たないことでコストと無駄な在庫、リスクを省けることはもちろん、顧客とのフェイスtoフェイスでのやり取りやサステイナビリティといったエコなコンセプトも持ち合わせる. 
写真: R. Iriyama.SØLV は受注して生産に入るセミオーダー的なシステムを導入。在庫を持たないことでコストと無駄な在庫、リスクを省けることはもちろん、顧客とのフェイスtoフェイスでのやり取りやサステイナビリティといったエコなコンセプトも持ち合わせる. 写真: R. Iriyama

今回の 『Needlework and  Technology2014(ニードルワークとテクノロジー2014)』では、ファッションブランドからマーケティング、インタラクティブから地元振興プロジェクトまで、各方面で意欲的に活動を行っている方々を講演者として招き、「ローカルビジネスや個人事業がどのように時代のテクノロジーやコミュニケーションツールと共存していくか」「世界に発信できるアイデンティティをいかに確立していくか」「コラボレーションが持つ可能性と新時代のコラボレーション例」を主題に、ケーススタディとともに学ぶ機会となりました。

FablabをオスロではじめたJens Dyvik。オンラインでシェアするデザインのコラボレーションで地元と世界が繋がるビジネスを実行している。. 
写真: R. Iriyama.FablabをオスロではじめたJens Dyvik。オンラインでシェアするデザインのコラボレーションで地元と世界が繋がるビジネスを実行している。. 写真: R. Iriyama
 

2~3年前まで多くのブランドや産業が詠っていた「サステイナビリティ」は、いま、次のステップに移りつつあります。サステイナブルであることと同時に、地元の産業をグローバルにサポートしたり、モダンテクノロジーを使ってコラボレーションを行なったり・・・。
これまでの「地球に優しい」「ブランドと人」といった目に見えるコンセプトだけではなく、アイデアとコミュニケーション技術のコラボレーションやテクノロジーのシェアという、よりグローバルな共同作業で、間口を広げてお互いの可能性を最大限に引き出しあうことが、新「サステイナビリティ」の形となるのでしょう。

 コンテンポラリーな若手デザイナーブランドを扱うコンセプトストア F5 とOPPが 主宰した展示。「10KG以内」という条件のもと作品を上から吊るしたインスタレーション。(写真上・下). 
写真: R.Iriyama. コンテンポラリーな若手デザイナーブランドを扱うコンセプトストア F5 とOPPが 主宰した展示。「10KG以内」という条件のもと作品を上から吊るしたインスタレーション。(写真上・下). 写真: R.Iriyama
 
写真: R.Iriyama.写真: R.Iriyama
 

また、今回は若手タレントによるインスタレーションも展示され、これからのノルウェーファッションを担っていくであろう若者達も多く参加しました。 国内と海外の両方に眼を向けて基盤を作りつつあるノルウェーのファッションシーンは今少しずつ開花し、そのアイデンティティを築き、更に発信しつつあります。

 

テキスト・写真:入山りこ(ファッション ジャーナリスト)



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