写真: R. Iriyama.写真: R. Iriyama

②動き出すノルウェーのクラフト&プロダクトデザインシーン

最終更新日: 02.05.2014 // ノルウェーの主要クラフトやクラフトアーティストを統括している協会『Norwegian Crafts』。ノルウェーのクラフトを国内外に発信、振興していくことを目的に活動しています。

クラフトとは、基本的にマスプロダクションではなく手を使って作られた民芸品、工芸品、手工芸品のことを指し、主にセラミック、メタル、木、ガラス、布などを素材とした製品で、基本的に「飾る」ことにとどまらず「使用する」ことができるものと定義されると理解しています。

『Norwegian Crafts』がサポートするプロジェクトの一つ、Norwegian Designer Union による若手ノルウェーデザイナー集団の集合体KLUBBEN は、家具とプロダクトデザインに特化し、ノルウェーデザインとしてプロモートすることを目指しています。KLUBBEN とはクラブという意味で、まさに仲間達が集まって一つの目標を行っていくための組織として位置づけられています。
>>  KLUBBEN リンク :若手のデザイナーが参加するKLUBBENは、今後のノルウェープロダクトデザインを盛り上げる中核的存在として期待される。

『Norwegian Crafts』 とともにクラフトのプロモーションを行っているのが、『Galleri Format(ギャラリーフォーマット)』です。新旧問わずグラスやセラミック、テキスタイル、アクセサリーを使ったアーティストの作品を展示及び販売する場所です。オスロの中心地にある、こじんまりと気持ちの良い空間のギャラリーで、企画展を行ないつつ、常設としてクラフトアーティストを紹介、サポートしています。ギャラリーで販売されるクラフト製品というと、値段、デザイン共に敷居が高いイメージがありますが、ギャラリーフォーマットで紹介されるのは、普段づかいで楽しめるデザインと手ごろな価格のものも多く、大量生産にはない暖かみを感じるアイテムを手に取って選べるギャラリーでの楽しみは格別です。ノルウェーを訪れる機会がある方は、ぜひとも立ち寄ってみてください。

ギャラリーフォーマットでは多くのコンテンポラリーアーティストを起用. 
写真: R.Iriyama.ギャラリーフォーマットでは多くのコンテンポラリーアーティストを起用. 写真: R.Iriyama
 
世の中に溢れる古着を集めて造り上げたSidsel Palmstrømの作品. 
写真: R. Iriyama.世の中に溢れる古着を集めて造り上げたSidsel Palmstrømの作品. 写真: R. Iriyama
 
 
 
上写真3点:ギャラリーフォーマットでは、業界で名の通った大御所から新進気鋭の作家まで、幅広いクラフト作品の展示と販売が行なわれる . 
写真: R.Iriyama.上写真3点:ギャラリーフォーマットでは、業界で名の通った大御所から新進気鋭の作家まで、幅広いクラフト作品の展示と販売が行なわれる . 写真: R.Iriyama
 

話題をクラフトからプロダクトデザインに移します。若手デザイナーの中でもとりわけ今世界中から注目を浴びているノルウェー人プロダクトデザイナーといえばDaniel Rybakken。光を使ったインスタレーションやプロダクトを発表し、数々のデザイン賞を受賞している彼のプロダクトは、大手ライティング会社によって商品化されています。「明るい光」に対しての執着が強い北欧人ならではの「光」の在り方をコンセプチュアルに体現したデザイナーで、今後注目していきたい若手の代表と言えるでしょう。
>>  Daniel Rybakkenリンク 


さらに昨今は、ノルウェーのアンティーク家具も大人気。オスロにある本店同様、Cafe Fuglenの東京支店では、30年代〜60年代のアンティーク家具や雑貨が展示販売されています。その流れを受けて、昨年はNorwegian Icons というノルウェーアンティーク家具に特化した展示がオスロと東京の代官山で行なわれ盛況を博しました。
今年の5月24日-25日には、オスロのDogAにてNordic Design Fairが行なわれるそうです。ノルディックデザインに興味のある人々のためのデザインフェア第一弾として、大変気になる催事です。
>> Nordic Design Fair リンク :デザインハブDogAで行われる家具デザインフェア。北欧のミッドセンチュリーの家具やデザインが集められる予定です。

家具やデザイン、クラフトプロダクトの分野でノルウェーはいま勢いを増しています。これまで残念ながら他の北欧国に比べて注目を浴びることのなかったこの分野が、今後は次々と開花していきそうです。
日本でも、ノルウェーの若い文化や土着のデザインに着目し紹介していける面白い展示会が今後数多く開催されることを願っています。

 テキスト・写真:入山りこ (ファッション・ジャーナリスト)



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