写真: Vidar M.Husby, Stortinget.写真: Vidar M.Husby, Stortinget

ノルウェー文学

最終更新日: 01.12.2015 // ノルウェー語は、世界で最も翻訳されている15言語のひとつです。2004年から2014年の間に3,300冊を超えるノルウェーの書物がNORLA(ノルウェー文学海外普及協会)の資金提供を受け、60を超える言語に翻訳されました。ノルウェー文学は、かつてないほど世界に広まっているといえます。

ノルウェー文学

戯曲・フィクション
Henrik Ibsen(ヘンリック・イプセン1828-1906年)は、「近代演劇の父」とも呼ばれ、その作品は欧米の演劇手法の革新的発展に貢献しました。イプセンの作品は現在でも非常に人気が高く、シェイクスピアの作品に次いで世界で2番目に多く上演されています。イプセンはその作品において社会を鋭く分析、批判し、普遍的な人間の心理的葛藤を見事に描き出しています。

 ノルウェーには3人のノーベル文学賞作家がいます。Bjønstjerne Bjørnson(ビョンスチャーネ・ビョルンソン)は、「その壮大かつ多彩な詩情」に対し、1903年にノーベル賞を授与されました。Knut Hamsun(クヌート・ハムスン)は、Growth of the Soil(「土の恵み」)で1920年にノーベル賞を受賞、彼の初期の作品であるHunger(「飢え」)は、今もノルウェー文学において最も重要な古典の一つとされています。Sigrid Undset(シグリッド・ウンセット)は、中世の生活を精緻に描いた作品で1928年にノーベル賞を受賞し、三部作のKristin Lavransdatter(「クリスティン・ラヴランスダッテル」)は国際的な古典作品となりました。Undsetの作品は、多くの言語に翻訳されています。

 近代のノルウェー文学も、海外で大きな関心を集めています。Jon Fosse(ヨン・フォッセ)は、イプセンに続き最も頻繁に上演され、話題に上るノルウェー人劇作家であり、ミニマリズムを特徴とする演劇で国際的に高く評価されています。

 ノルウェーの現代文学はここ数十年の間に黄金期に入り、多数の小説家が国際的に認められるようになりました。
 Jostein Gaarder(ヨースタイン・ゴルデル)は、若者向けに哲学を解説した小説「ソフィの世界」により、日本を含む多くの国でベストセラー作家となりました。

Jostein Gaarder
 
 

 Erik Fosnes Hansen(エリック・フォスネス・ハンセン)も、国際的な躍進を遂げた最初のノルウェー人作家の一人です。Psalm at Journey’s End(「旅の終わりの音楽」、1990年)は、豪華客船タイタニック号の船内楽士を描いた小説であり、Hansenはこの作品で世界的成功を収めています。

 Per Petterson(ペール・ペッテルソン)の作品は、世界50言語に翻訳されました。Out Stealing Horses(「馬を盗みに」)は、ノルウェー国内外で多数の賞を獲得、Pettersonはこの小説でノルウェー人作家として初めて、英国インディペンデント外国小説賞と国際IMPACダブリン文学賞を受賞しました。

 他にも海外で人気の高いノルウェーの有名作家としてHerbjørg Wassmo(ハルビョルグ・ヴァッスムー)が挙げられます。Wassmoは、力強いストーリーテラーとして、また登場人物の脆さ、繊細さを掘り下げる表現力で、ノルウェーの国内外で確固とした地位と人気を獲得しました。Toraを主人公にした処女作The House with the Blind Glass Windows(1981年)に続いて2冊の続編を発表しTora三部作を完成させました。これらの作品は、芸術家肌の破天荒な子どもが大人に成長するさまを描き、ノルウェーのリアリズムの伝統を引き継いでいます。

 Linn Ullmann(リン・ウルマン)は、海外で最も売れたノルウェー人作家の一人です。5つの作品が計34言語に翻訳されています。The Cold Songは2014年に英語版が米国で発売されて大ヒットし、その年最も優れた作品を挙げるThe New York Times等の権威あるリストに選ばれました。The New Yorkerの書評欄では、文学評論家のJames Woodがこの作品を「優れた作品、恐るべき小説」と評し、Ullmann自身のことを「爽やかでなおかつ鋭く、また叙情的で聡明でもある小説家として、その個性をフルに発揮しており、英語でもっと読まれるべき作家」としています。

 Anne B. Ragdeは、ノルウェーでも海外でも広く読まれています。1990年のデビュー後50冊近くの本(子ども向けの本を含む)を発表しています。特に国際的に注目を集めたのが、Berlin Poplars (2004年)というNeshove一家にまつわる三部作の一作目です。この三部作はヒットし、更に映像化されてテレビのドラマシリーズとして多くの視聴者を獲得しました。

 ノルウェーのフィクション分野の新星は、Karl Ove Knausgård(カール・オーヴェ・クナウスゴール)です。My Struggle I-VI(「わが闘争」)シリーズは、大きな反響を呼びました。Knausgårdの試みは、近代ノルウェー文学の最も強い傾向を明確に表しています。つまり、ファンタジーとリアリティ、フィクションとノンフィクションの境界線を消し去っているのです。

 
Karl Ove Knausgård
 
 

 Paul Binding は、Times Literary Supplement(文芸書評専門紙)に、次のように記しました。「Knausgårdは、明らかにノルウェーの伝統に属している。イプセンやハムスン、画家のムンク、タリアイ・ヴェソース、ペール・ペッテルソンと同じく、個人の赤裸々な経験を、率直かつ自由に描く才能がある」

 Knausgårdが成功を収めたことで、ノルウェー文学は世界の文壇においてその力を明確に認められるようになり、ノルウェーの作家は世界文学の重要な一部と見なされるようになりました。

ミステリー小説
    世界初の犯罪小説はおそらく、ノルウェーの小説家Mauritz Hansenが1839-40年に書いたThe Murder of Engine Maker Roolfsenでしょう。エドガー・アラン・ポオが「モルグ街の殺人」を描く前の年の作品です。それから約175年後の今、ノルウェーのミステリー小説が世界を席巻しています。

 ノルウェーの犯罪小説にはその質の高さで長い伝統があり、ノルウェーの最も優れた犯罪小説の古典として、André Bjerkeの犯罪心理小説The Lake of the Dead(1942年)(Bernhard Borgeのペンネームで発表)や、Gerd NyquistのThe Deceased did not want Flowers (1960年)がよく知られています。

 ノルウェーの近代犯罪小説の多くは、スウェーデンの作家夫妻、Maj SjowallとPer Wahloo(マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー)の影響を強く受けています。この二人は1965年から1975年の間に、警察官マルティン・ベックを主人公にした小説を10冊出しています。この種の犯罪文学に典型的に見られるのが、社会批判の視点です。

 ノルウェー文学の犯罪小説のジャンルには、優れた現代作家が多数います。Gunnar Staalesen(グンナル・ストーレセン)は、私立探偵のVarg Veum(レイモンド・チャンドラーの影響を受けて誕生した、社会民主主義的精神を持つ主人公)を描いた犯罪小説で世界的名声を博しました。

 他にも国際的に知られる犯罪小説家として、Karin Fossum(カリン・フォッスム)がおり、探偵のKonrad Sejerを主人公に犯罪心理小説を発表しています。既にシリーズ10作が発売され、多くの言語に翻訳されました。

 Anne Holt(アンネ・ホルト)は、2つのシリーズで国際的成功を収めました。型破りのレスビアン警官Hanne Wilhelmsenを描いたリアリティ溢れる刑事ものシリーズと、VikとStubøのカップルを主人公にしたシリーズです。Holtの作品は世界的に広く読まれています。

 ノルウェー出身の著名な世界的ベストセラー作家にJo Nesbø(ヨー・ネスボ/ジョー・ネスボ)がいます。アンチヒーロータイプの刑事、Harry Hole(ハリー・ホーレ)を描いた犯罪小説で世界的に有名になりました。その作品は50以上の言語に翻訳され、その力強い文学性、心理学的洞察力、そしてグローバル化した近代社会の生活描写によって、ミステリー小説のジャンルの幅を広げた小説家として称賛されています。

 
Jo Nesbø
 
 


 更に警察を舞台にした犯罪小説で成功を収めたのが、Jørn Lier Horst(ヨルン・リーエル・ホルスト)とUnni Lindellです。ホルストの作品は、プロットと刑事の仕事の描写の両面において、細部に至るまでリアリズムに優れています。作家自身警察官の経歴を持ち、そのことを最大限に活用しています。Lindellは、警察官のCato Isaksenを描いた作品で成功を収めましたが、その作品もリアリズムを重視しています。

 ノルウェーのミステリー文学は、その幅の広さを特徴としています。
 著作家兼ジャーナリストのTom Egeland(トム・エーゲラン)は、考古学者のBjørn Beltoを描いた作品で最も知られていますが、このシリーズは過去のミステリーと関連する話を織り込んだ冒険活劇です。Egelandは、アメリカ人作家のDan Brown(ダン・ブラウン)とよく比較されます。

ノンフィクション
ノンフィクションジャンルは、ノルウェーでは何世紀にもわたって国民性とアイデンティティの表現手段となってきました。

 世界的に知られるようになったノルウェーの最初のノンフィクション作家は、探検家や冒険家たちでした。Fridtijof Nansen(フリチョフ・ナンセン 1861-1930年)とRoald Amundsen (ローアル・アムンセン1872-1928年)は、目覚しい極地探検の成果で知られていますし、彼らの冒険の記録は今も高い人気を誇ります。

 Thor Heyerdahl(トール・ヘイエルダール)が、この冒険の伝統を引き継ぎました。1947年に大胆にも筏のKonTiki号で太平洋を航海するという偉業を達成し、一躍世界に知られるようになりました。この旅の素晴らしい物語The Kon-Tiki Expedition (「コン・ティキ号探検記」、1948年)は、20世紀の偉大な国際的ベストセラーの一冊として、70言語以上に翻訳されています。

 
 

そして今では冒険好きな作家の新世代-Cecilie Skog, Børge Ousland、Erling Kagge、Liv Arnestadなどがこのジャンルを率いています。

 もちろん、ノルウェーのノンフィクション作家がすべて探検家や冒険家というわけではありません。哲学者で著作家のArne Næssは、ディープエコロジーの提唱者として知られ、1970年代以降の環境運動の主要なリーダーの一人でもありました。

 他にも多数の言語に作品が翻訳された作家がいます。犯罪学者のNils Christie(ニルス・クリスティ)は、刑務所や犯罪取締りについて描きました。Nils Christieの著作は、複雑な主題を一般大衆にもわかりやすい言葉で伝えるというノルウェーの長い伝統の一部を成しています。

 社会人類学者で作家のThomas Hylland Eriksenも、同じ伝統の担い手です。学術的な教科書と一般向けの作品の両方を発表しています。

 更にこの伝統で確固たる地位を築いたノンフィクション作家が、哲学者のLars Fredrik H. Svendsen(ラーシュ・スヴェンセン)です。ベルゲン大学教授として多数の哲学書を発表、その全てが優れた話声を特徴としています。特にA Philosophy of Boredom (「退屈の小さな哲学」、1999 年)で知られています。

 今日のノルウェーのノンフィクション作品は、ジャンルとテーマの幅広さや多彩さを最も大きな特徴としています。海外でよく売れている作品は、哲学から心理学、編み物から手工芸まで様々なテーマを扱っています。

 特に興味深いのが、報道色やドキュメンタリー色の強い作品に、力強い文学性が認められたことです。最近では、Åsne Seierstad(アスネ・セイエルスタッド)がノルウェーにおいても、また世界的にも最も多くの読者を集めました。ドキュメンタリー作品のThe Bookseller of Kabul (「カブールの本屋」、2002年)は、New York Timesのベストセラーリストに40週にわたってランキングされ、38言語に翻訳されました。

 
Åsne Seierstad
 
 


 社会人類学者のErika Fatlandも、世界に名を知られるようになったノルウェー人作家の一人です。その最初のノンフィクション作品がCity of Angelsであり、2004年のベスラン学校占拠事件に関する渾身のドキュメンタリーとなっています。2012年にはThe Year without a Summerを発表、ノルウェーの7月22日の悲劇を描きました。更にSovietistan: A Journey through Turkmenistan, Kazakhstan, Tajikistan, Kyrgyzstan and Uzbekistan (2014年)で再び人気を集め、訪れる人は少ないものの世界との関連性を高めつつある旧ソ連諸国へと読者を案内しています。

 ノルウェーのノンフィクションジャンルの興味深い傾向として、魅力的なパーソナルストーリーが自伝小説と並行して描かれていることが挙げられます。例えばArnhild Lauvengは、その自叙伝A Road Back from Schizophrenia: A Memoir (2006年)において、圧倒的な力強さで精神病を描きました。Lauvengは統合失調者の診断を受け、10年の間に精神病棟に複数回入院しましたが、今は心理学者として活躍しています。この作品は読者に幻聴と幻覚の世界を体験させ、自らの病に対するLauvengの闘いに独自の洞察を与えています。絶望的な苦闘の末の勝利を描いた、心を揺さぶられる作品です。

 ノルウェーの映画、文学、ビジュアルアート、ジャーナリズムにおいて、「自然」がルネサンス期を迎えています。自然や屋外の生活に関する多数の作品が発表され、人間と自然の関係について、ジャンルを超えて洞察がなされています。ノルウェーの冒険家の伝統の延長線上で作品を出した人もいます。例えばLars Monsenは、ノルウェーの先住民族サーミ人の冒険家・ジャーナリストであり、未開の地への探検旅行で知られています。またHenrik Svensenなどの作家は、自然の文化的側面について描きました。Svensenは、Captivated (2011年)において、山の歴史や高山の魅力を伝えています。

 私たちを魅了するのは自然だけではありません。多くの人々が、より簡素な生活への回帰を望み、編み物などの手工芸を学びたいと考えています。趣味に関する本がノルウェーから多数輸出されており、中にはノルウェーの国内外で何万部も売れている書籍もあります。このジャンルで特に知られているのがArne & Carlos(アルネ&カルロス)で、この2人は洋服からおもちゃ、クリスマスツリーの飾りまで、何でも器用に編み上げ、人気を博しています。

 DIYのアプローチを強い自然観と結びつけた本もあります。Lars MyttingのSolid Wood (2011年)です。この薪割りに関する本は、ノルウェーとドイツでベストセラーとなりました。

児童文学
 ノルウェーの児童文学は多様性に富み、想像力、独立心、自主性を特徴としています。ノルウェーで最初に児童書が書かれたのは、18世紀後半のことでした。
 
   ノルウェーの児童文学は戦後に黄金期を迎えました。Thorbjørn Egner(トールビョルン・エグネル)、Anne Cath. VestlyやAlf Proysen(アルフ・プリョイセン)の作品は、今もノルウェーの児童文学の根幹を成しています。それぞれ「ゆかいなどろぼうたち」(1955年)、Twigson(擬人化された小枝)を描いた作品 (1962年)、そしてMrs. Pepperpot(スプーンおばさん)を主役にしたシリーズ(1957年以降)を著していますが、いずれも時を経ても色あせない児童文学の古典的名作です。

 この数十年の間、ノルウェーの児童文学はかつてないほどの充実期を迎えています。2013年には児童や青少年向けに401冊の新刊が出され、多くの作家の児童文学作品がこれまで以上に他言語に翻訳されています。

 児童・青少年文学で国際的に知られているノルウェー人作家の中で最も有名なのがJostein Gaarder(ヨースタイン・ゴルデル)でしょう。Sophie's World(「ソフィーの世界」、1992年)は、1995年に世界で最も売れたフィクションとなりました。この作品は60言語に翻訳され、世界で4,000万部以上も売れました。「ソフィーの世界」の成功により、ノルウェーの文学は国際的躍進を遂げたのです。

 21世紀に入り、Maria Parr(マリア・パール)がWaffle Hearts(「ぼくたちとワッフルハート」、2005年)とTonje Glimmerdal (2009年)という2つの作品でノルウェーの国内外を席巻しました。ユーモアたっぷりの両作品は前向きな子どもたちが主人公ですが、深刻なテーマも盛り込まれています。ParrはスウェーデンのAstrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン)とよく比較されます。

 児童書で成功を収めたノルウェー人作家には、世界的に有名なミステリー作家のJo Nesboもいます。Doctor Proctorを主人公とするユーモア溢れる作品を発表しています。

 北欧理事会は、児童・青少年文学の新たな賞を創設し、北欧における青少年文学の発展を期しています。2014年の賞は、Håkon ØvreasとØyvind Torseterの共作であるBrown (原題Brune 2013年)に贈られました。主人公のRuneは、日中は普通の男の子ですが、夜になると何物をも恐れぬスーパーヒーローに変身します。ブラシと茶色の塗料で武装したRuneはこっそりと家を抜け出し、自分をいじめる年上の少年たちの自転車にペンキを塗りたくります。Brownは、友情、勇気、そして自立の物語です。

 Brownの挿絵を描いたØyvind Torseterは、ノルウェーの絵本界の主要作家です。絵本のジャンルは年々発展を続けており、Torseterは多数の受賞作品の出版に関わっています。最新作はThe Hole (2012年)です。またDetours (2007年)で、栄えあるボローニャ国際児童図書賞をフィクションの分野で受賞しました。

 
 
 



 その前年には、やはりノルウェーの絵本界の重要人物であるStian Hole(スティアン・ホーレ)がGarmann’s Summer (2006年)で同賞を受賞しました。Hole作品の魅力は、人生の深遠な疑問を詩的軽快さで描き出していることです。The Old Man and the Whale (2005年)や、Garmannシリーズ(2006-2010年)、Anna’s Heaven (2013年)などの批評家に高く評価された作品に加えて、2015年にはMorkel’s Alphabetで再び大きな注目を集めました。

 最近の若い絵本作家の中で、特にノルウェーの国外で成功を収めているのが、Åshild Kanstad Johnsen(オーシル・カンスタ・ヨンセン)です。主人公である小さな丸太、キュッパ(Kubbe)が様々な計画を実行するというストーリーで、これまでに3冊の本と1冊の電子ブックを出版しています。Kanstad Johnsenは、森の風景や小学校のマーチングバンドといったノルウェーらしい風物を温かい眼差しで丁寧に描き出し、普遍性を与えることに成功しています。主人公のキュッパは国際的に広く関心を集め、日本でも、本を題材に様々なアニメシリーズやグッズが作られるなど注目されています。

 ヤングアダルト向け小説は、特にゴルデルの「ソフィーの世界」の成功以来、海外からの注目が高まっているジャンルです。Nina E. Grøntvedtは、Hey, it’s me! (2010年) やAbsolutely Unkissed (2012年)でベストセラー作家となりました。これらの作品は11歳のOdaが書き、イラストも描いた体験記です。

 もう少し上の年齢層の青少年向けの作品として多数の言語に翻訳されているのが、Johan Harstadのホラー小説、Darlah: 172 Hours on the Moon (2008年)です。これは、月面で172時間を過ごすという旅行に行けることになった3人のごく普通のティーンエイジャーを描いたSF小説です。果たして無事に地球に帰還できるのか、スリリングな展開です。
 Darlahは、2014年秋にノルウェー最大の新聞において、専門家によって過去全ての青少年作品の中の最良作品に選ばれました。

 子ども向けのミステリー小説やスリラーも人気の高いジャンルであり、Bjørn Sortlandがこのジャンルの作品で成功を収めています。

 児童・青少年文学はノルウェーでは高く評価されており、多数の有名な小説家が児童向けの小説も書いています。そのため質の高い作品が多く生み出され、若い読者が様々なジャンルの多彩な表現形態に触れる機会が確保されています。

 このようにノルウェーの文学は、幅広い年齢層の読者に向けて、良質な作品を提供しています。

 

NORLAについて
Norwegian Literature Abroad (ノルウェー文学海外普及協会)
http://norla.no/en/pages
https://www.facebook.com/norwegianliterature?fref=ts
フィクション、ノンフィクション、児童及びヤングアダルト文学の海外普及を目的としてオスロに設立され、翻訳者への助成などを通じて積極的にノルウェー文学の紹介を行っています。

 

NORLAのおすすめノルウェー文学必読12冊

フィクション
■ペール・ペッテルセン Per Pettersen
「馬を盗みに」Out Stealing Horses (2003)
白水社
■カール・オーヴェ・クナウスゴールKarl Ove Knausgård
「わが闘争」My Struggle I-VI (2009-2011)
第一巻「父の死」早川書房
■Kjersti A. Skomsvold
The Faster I Walk, The Smaller I Am (2009)

ミステリー小説
■グンナル・ストーレセンGunnar Staalesen
The Consorts of Death (2006)
■ジョー・ネスボJo Nesbø
「スノーマン」The Snowman (2007)
集英社文庫
■カリン・フォッスムKarin Fossum
The Indian Bride (2000)

ノンフィクション
■アスネ・セイエルスタッド Åsne Seierstad
One of Us (2013)
■ラース・スヴェンセンLars Fredrik Svendsen
「退屈の小さな哲学」A Philosophy of Boredom (1999)
集英社新書
■Arnhild Lauveng
A Road Back from Schizophrenia: A Memoir (2005)

児童文学
■スティアン・ホーレStian Hole
Garmann’s Summer (2006)
■マリア・パル Maria Parr
「ぼくたちとワッフルハート」 Waffle Hearts (2005)
さ・え・ら書房
■オーシル・カンスタ・ヨンセンÅshild Kanstad Johnsen
「キュッパのはくぶつかん」 Block Makes a Museum (2010)
福音館書店




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