【スキーを楽しむポースケ休暇①】

「スキーを履いて生まれてきた」とも言われるノルウェーの人々はどのようにこのスポーツに親しんでいるのでしょうか。テレマークスキーのインストラクターとして活躍し、ノルウェーでのスキー経験も豊富な望月隆氏に現地の様子を4回にわたりレポートしていただきました。



皆さん、初めまして。テレマークスキーのノルウェー公認インストラクター、望月と申します。長年、長野県でテレマークスキーを指導しています。

今回、友人からの誘いもあり、2009年のイースター(ノルウェー語では「Påske ポースケ」)休暇にあたる4月8日から4日間、山の中のヒュッテ※でスキーツアーを楽しみながら過ごしてきました。
(※Hytte:山小屋・別荘。詳細は第3回に掲載。)

多くのノルウェー人にとってイースターは重要な日ですが、スキーを楽しむ休暇であるということを何度も聞かされてきました。ノルウェー生まれのテレマークスキーを長年教えてきた私としては、以前からノルウェーの人たちがどのようにスキーで楽しんでいるか、たいへん興味があったのです。

これから4回にわたり、スキーと共に生まれてくると言われているノルウェーの人たちが、イースター休暇にスキーを楽しむ様子をご紹介します。

では写真と共に進めていきましょう。

今回の目的地は南ノルウェーのフィンセ(Finse)からヤイロ(Geilo)にかけて伸びるハリングスカルブ山脈(Hallingskarvet)にあるラグスティンダーレン(Raggsteindalen)という場所です。http://www.hallingskarvet.com/raggsteindalen/en/

フィンセやヤイロはオスロ発のベルゲン特急の途中駅なのでご存知の方も多いと思いますが、このあたりはスキーツアーに向いた山が数多く、たくさんのツアーコースがあります。また山小屋も整備されていて、快適にスキーツアーを楽しむ事ができるようになっています。

上の地図ではスキーのツアーコースが赤い線で描かれています。左下のフィンセ(Finse)からたくさんのコースが伸びているのが分かりますね。

さて、出発しましょう。オスロに着いたらまずは電車です。

イースターのお休みということもあって、朝早くから大きな荷物やスキーを持った人が目に付きます。

電車がプラットホームに入ってきましたが、私の目の前を大分通り過ぎて止まり、重い荷物を抱え焦ってプラットホームを走りました。

電車は満席。さらに荷物が大きい人ばかりです。網棚に無造作におかれたクロスカントリースキーがノルウェーらしいですね。斜め前の席の若者はスキーのコンピューターゲームに興じていました。

2時間半ほど電車に揺られて、着いたところはオル(ÅL)という駅。たくさんのスキーを持った人が降りていきます。車で迎えにきてくれている人も多いですね

ここからバスでさらに1時間ほどゆられ、ミールランド(MYRLAND)まで。友人のヒュッテまではこれからスノーモービルで10Km程行かないとたどり着けません。

ノルウェーでは冬の間、ヒュッテに車でたどり着けない場所にある場合は、スノーモービルのタクシーサービスのようなものがあります。これは日本でいうところの別荘管理会社がサービスを提供していて、他に休暇でヒュッテに人が来る前に暖房を入れておいたり除雪や荷物の搬入など行なっています。

スノーモービルは自分で運転した事がある私でも、荷物用のソリの中で10kmも移動するのは初めての経験です。

両腕を突っ張り身体を固定しながらの移動は大変でした。はじめはクロスカントリースキー用に圧雪された道?を走ります。その後は圧雪もない道の上で、振り落とされそうになる事も何度か。でもまわりの景色は素晴らしいので、両腕の痛みも忘れそうです。途中、クロスカントリーを楽しむスキーヤーをたくさん見かけました。子どもも大人も楽しんでいるようです。

20分ほどで到着。これが友人のヒュッテです。この後私はさっそく滑りに山に行ったのですが、スキーの話は次回にしましょう。


【テキスト・写真 望月隆】


望月隆(もちづき たかし)
テレマークスキーヤー。
1997年ノルウェーでノルウェースキースクール(Den Norske Skiskole)のテレマークスキーインストラクターの資格を取得。
現在は長野県峰の原高原でT.M.N.スキースールを主宰しテレマークスキーの指導にあたる。
著書(共著)に「日本テレマークスキー教程」「テレマークスキーレッスン」ほか。

 


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