【スキーを楽しむポースケ休暇②】

最終更新日: 03.09.2009 // 大自然のなか雪上を行くスキーツアーの醍醐味とは?ノルウェーで過ごすスキー休暇について、ノルウェーの雪を知り尽くした筆者の視点からのレポート第2弾です。


前回、ラグスティンダーレンに到着するまでを書きましたが、イースター休暇の混雑も電車を一度降りてしまえばまったく気になりません。到着翌日はいよいよ山の中でスキーツアーの開始です。私は3日間、ツアーを楽しんできましたが、ここではまとめてご紹介しましょう。

今回私が使用したスキーは、ノルウェーで一般的に「ツアースキー(turski)」または「マウンテンスキー(fjellski)」と呼ばれるものです。私が日本で教えているテレマークスキー(クロスカントリースキーと同じく踵が上がりアルペンスキー並みの滑走性能がある)とクロスカントリースキーの中間のような感じです。
クロスカントリースキーより少し幅の広いスキーと、同じくクロスカントリースキーのブーツより少し固めのスキーブーツ、それにスキーの裏にすべり止めのシール(化繊か毛皮)を使い、山々を軽快に歩いたり登ったり時には滑ったりする事もできます。

1日に多い人では15~25kmも歩くわけですから、スキーもブーツも軽く滑り易いものを使います。また背中の荷物もあまり重すぎると疲れてしまうので、大体食べ物と水か温かい飲み物と着替えのウェア、防寒具、それに地図とコンパスです。山小屋から山小屋へツアーをする場合はこれに泊りの道具も入れるので、全部で10kg位になる人もいるようです。

一つ面白い物をお見せしましょう。ノルウェーではとても一般的なチョコレート菓子クヴィックルンシュ(KVIKK LUNSJ:英語で言うと「クイックランチ」) の裏面です。


スキーツアーの時は必携?のチョコレートで、なんと年間生産数の25%がこのイースターの期間中に販売されるとの事です。さらにこの裏面に書いてあるのがスキーツアーのルート案内なのです。
いかにノルウェーの人々の生活にスキーツアーが大きな位置を占めるかが良くお分かりになると思います。

この地図に書いてある山小屋のヤイテリゲヒュッタ(Geiterygghytta)も私が泊ったラグスティンダーレンから15kmほど歩いたところにあります。ちなみにこの山小屋はノルウェートレッキング協会(DNT: Den Norske Turistforening)が管理をしていて、冬から春にかけてのスキーシーズンとサマーシーズンにオープンしています。また食事も提供されています。
私はこの山小屋には泊らなかったのですが、山小屋から山小屋へのスキーツアーもたいへんポピュラーで、ぜひ一度試してみたいと思っています。

さてツアーに戻りましょう。まずはどんなところをスキーツアーしているか、写真をご覧ください。

この写真ではあまり人も写っていませんが、ラグスティンダーレンはヒュッテも数多くあり、また山小屋(Raggsteindalen Hoyfjellstue)もありますので、スキーツアーの出発地としてポピュラーな場所です。

上の写真で木の枝が雪面にさしてありますが、これはノルウェートレッキング協会(DNT)などがスキーのルートに沿ってたてているものです。おかげでツアー中視界が不良になっても迷わないのです。日本ではあまり見かけないのですが、実際山の中でツアーをしているものにとってはありがたいものです。こんなところでもノルウェーの人のスキーツアーに対する熱の入れようを感じます。

もう少しツアーの写真をご覧頂きましょう。

すべり止めのシールをスキーの裏に張っているので、登りもすいすいと歩けます。
ただ歩くだけではつまらないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。クロスカントリースキーほど軽く走るわけでもありませんし、アルペンスキーやテレマークスキーのように滑る事を楽しむわけではありません。が、なぜそれほどまでにノルウェーの人はこのスキーツアーを楽しむのでしょうか。

たしかな答えはわかりませんが、恐らくその理由はこの景色にあるのではないでしょうか。一見単調に思えそうな景色は、時にドラマチックに変化し見るものの心を惹きつけます。また一つの山を越えた時に広がる新しい景色を見たい、という欲求が歩を進めるのでしょう。15kmや20kmの距離もあまり気にならないのです。

クロスカントリースキーというとあまり若者がするイメージが無いのですが、イースターだからでしょうか、私のツアー中には若者に結構出会いました。グループで楽しむ人たちもいれば、カップルで楽しんでいる方もいました。もちろん、年配の方から子どもまで楽しんでいます。このあたりもノルウェーらしいです。

下の写真、左の女性は自分の犬に縄を付けて引かせていました。これは楽ですね。

子供たちが大人に引率されて山にクロスカントリースキーで登ってきていました。数年前から子供たちにはクロスカントリースキーが一番好かれているという事を聞きましたが、これからもクロスカントリー王国の地位は当分揺るぎなさそうです。

彼らも犬を連れていましたが、犬連れの確率はとても高いですね。イースターだから犬も家族の一員で皆と一緒に休暇を過ごすのでしょうか。

次回はノルウェーのヒュッテをご紹介しましょう。

【テキスト・写真 望月隆】


望月隆(もちづき たかし)
テレマークスキーヤー。
1997年ノルウェーでノルウェースキースクール(Den Norske Skiskole)のテレマークスキーインストラクターの資格を取得。
現在は長野県峰の原高原でT.M.N.スキースクールを主宰しテレマークスキーの指導にあたる。
著書(共著)に「日本テレマークスキー教程」「テレマークスキーレッスン」ほか。


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