サーミ 4ヶ国に暮らす民族

最終更新日: 16.01.2014 // サーミ人は北極圏地域の先住民族であり、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアに住んでいます。サーミの人々はラップ人と呼ばれることもありますが、サーミと呼ばれることを好んでいます。11,000年前に最初の先祖がスカンジナビア北部に移住して以来、サーミ人は独自の文化を発展させてきました。

サーミは自然と一体となってテント (lavvo) や芝小屋で暮らし、トナカイを追って生活していました。居住地域(Sapmi)は、コラ半島からロシア北東部、ノルウェー東部のエンゲルダル(Engerdal)、スウェーデン南部のイドレ( Idre)に及んでいます。

サーミ人は4ヶ国のいずれにおいても少数民族ですが、Sapmi中央においては多数派民族です。約10万人のサーミ人のうちほぼ半数がノルウェーに暮らしています。その居住地はノルウェー各地に分散していますが、サルトフィエッレ(Saltfjellet)北部に最も集中しています。ノルウェーのサーミ人は、北部サーミ語、ルレサーミ語、 南部サーミ語という3つの異なるサーミ語を話します。

サーミ人は長きにわたって抑圧され、その文化が途絶えてしまう恐れもありました。ですが今やサーミ人は、世界のその他多くの先住民族よりも強い立場を確立しています

サーミ人は独自の独立記念日、旗、そして議会を持ち、1917年の2月6日にサーミ初の議会が開かれたことから、2月6日をナショナルデーとして祝っています。この日は各地で様々なスタイルで祝われます。例えばトロムソで行われるサーミウィークではトナカイのレース、投げ縄大会、サーミマーケットなどが開かれ、オスロではオスロ市庁舎のカリヨンがサーミの国歌を奏でてサーミの旗が掲揚されます。一方フィンマルクでは学校や幼稚園でのお祝いの行事に続いて教会の礼拝や文化活動が行なわれ、サーミの料理を楽しみます。

サーミ文化のその他の重要な要素として、言語(サーミの各言語は、ノルウェー語とは明らかに異なっています)、そしてサーミの民謡ヨイク(joik)があります。またトナカイの放牧は今もサーミ文化の中心であり、トナカイはその肉や毛皮ゆえに、そして輸送手段としてもサーミの生活に重要です。フィンマルクでは冬にトナカイのそりが広く用いられています。

近年はノルウェーのサーミのコミュニティと北海道のアイヌのコミュニティ間の積極的な協力が進んでいます。2012年にはサーミとアイヌのフェスティバルがアイヌの音楽家も参加してノルウェーで開催され、更に2回目のフェスティバルが札幌でサーミの音楽家も参加して2013年7月に行われました。またアイヌの代表者は、リドゥリドゥ(Riddu Riđđu)と呼ばれるサーミの音楽と文化の年次フェスティバル(ノルウェーのGáivuotna/Manndalen のOlmmáivággi /Kåfjordで開催される祭り)にも参加しています。このフェスティバルは、サーミおよびその他の先住民族の文化を広めることを目的に開催されています。
(Riddu Riđđu:http://riddu.no/en/riddu-riddu-festival

また2013 年には、ノルウェーの国立サーミ劇場が初来日しました。
国立サーミ劇場は1981年の創設以来、サーミ語での演劇を通してノルウェーのサーミのアイデンティティ強化に努めています。その演劇の多くは、世界のその他の文化、民族の表現方法の影響を受けています。今回は東京で、偉大なサーミの詩人ニルス・アスラック・ヴァルケアペー(Nils Aslak Valkeapää)による作品「白霜頭(しらしもがしら)と夢見る若者」("The Frost Haired and the Dream-seer")を上演しました。ヴァルケアペーは日本の能に魅了され、能の形式を取り入れてこの作品を制作しました。
(国立サーミ劇場: http://www.beaivvas.no/


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